【読書】オスカー・ワイルド『サロメ』【カステルッチのオペラを観たくて】

その猟奇的・唯美的な結末であまりに有名な古典戯曲。手に取ったきっかけは一人の演出家でした。

Salome 2018 · Trailer
リヒャルト・シュトラウス作、ロメオ・カステルッチ演出
『サロメ』トレイラー 於: 2018年ザルツブルク音楽祭
「SAXA」とは、ラテン語で「岩」を意味するようです。

その世界の虜になる

ロメオ・カステルッチという演出家を初めて知ったのは、去年か一昨年くらいのことだったかと思います。

私はワーグナーが好きで、久々にワーグナーのタンホイザーを聴きたいと思ってYouTubeを見ていた折に見つけました。

バイエルン国立歌劇場「タンホイザー」2017
バイエルン国立歌劇場「タンホイザー」2017 トレイラー

上の動画を初めて観たとき、度肝を抜かれました。フランシス・ベーコンを思わせるような洗練されたグロテスクさを感じ、誰が演出したのかと血眼で突き止めました。

そうして「ロメオ・カステルッチという人が演出を手掛けているのか…なになに、他にはサロメやオレステイアなども作っていると…」といった勢いで虜になり、少しでもその世界を味わいたいがため本を手に取ったというわけです。

ここに書いてしまったので、DVDを探すなりしてどうにかして観ないとなりませんね笑

豊かな言葉の海・絢爛たるビアズリー

サロメを読んでいる間、その美しい表現の数々に熱中していました。作詞の勉強に、手元に書き留めておきたいものがたくさんあります。

特に、預言者ヨカナーンの首を所望してやまないサロメに、継父エロド王が世界中のあらゆる宝物を列挙し、それらを全て与えよう(なのでヨカナーンは諦めてくれ)と言って聞かせる場面は、おぞましく手に汗握る状況ながら読み手をうっとりとさせます。

そして忘れてはならないのが、オーブリー・ビアズリーによる絢爛たる挿絵作品です。訳者である福田恆存先生の解題によりますと、収録された一群の挿絵は作品の筋や性格を追うものではなく、『サロメ』に着想を得たビアズリー独自の作品とのことです。

その自由な創造に委ねられたからこそ、悪魔的な美しさが際立ち、作品全体を妖しく彩っているのかもしれません。

そして今一度モローへ

去年東京で展示が開催されたフランス象徴主義の巨匠、ギュスターヴ・モローも、サロメに魅せられた画家の一人ですね。

ギュスターヴ・モロー展と素敵なお土産

モローが制作したサロメにまつわる作品は、歴史画のようにダイナミックな構図が多い印象があります。物語を読んだ後改めて図録に目を通すと、まるで実際に見聞きしたことのように鮮やかに読書体験が蘇ってきます。

オスカー・ワイルドについて

ワイルドの他作品については、学生時代に『ドリアン・グレイの肖像』を英書で読んだことがあります。 おぞましい展開にゾクゾクしながら読んでいました。 ほんとに怖かったです笑

ワイルドについては、以前の記事でご紹介したセイゴオ先生こと、松岡正剛先生の千夜千冊にも記事を見つけました。

松岡正剛の千夜千冊 40夜『ドリアン・グレイの肖像』

読書からインスピレーションを得る【イナンナの冥界下り】

モローに導かれ、カステルッチに導かれ、サロメというユダヤの王女には何やら不思議なご縁があるのかもしれませんね。

次はどんな本を読もうかなと、のんびりしながらわくわく考え中です。

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